先日、先生になるべくしていた勉強の大きなイベントが終わりました。
まだまだレポートを出したり受けなければいけない授業も残っていますが、ひと段落着いたということでほっとしております。
私自身学ぶことが非常に多く、とても充実していました。いろいろと書類的なものを書く前に、内面的な部分を書き留めておこうと思い、先にブログを描いています。
今回の私は、今までの人生で一番の緊張を味わったと言っても過言ではありませんでした。
全然知らない環境に放り込まれることもありました。何度も人前に立ってきました。大きな舞台にも挑戦してきました。リーダーとして大人数を先導することもありました。
それらすべてに緊張がなかった訳ではないけど、大体の怖いことは経験してきたし乗り越えてきたし、何かあってもきっとなんとかなるだろうと思えます。けれど今回は例外でした。実際に自分が授業をして初めて、何が原因なのかわかったのです。
初めての授業が終わった後、緊張が解けたのか涙が止まりませんでした。恥ずかしながら、反省会中もずっと泣いていて、他の先生方にコメントを頂きに行く時もふと思い出しては涙が出ました。こうして書いている今でも、まだちょっと泣きそうになるぐらいです。
不思議と涙が出るだけで、悔しかったとかそういう思いはありませんでした。ただ、教壇に立つということが怖いとは思いました。
今は少し授業をさせてもらっているだけの身、でも教壇に立った以上は絶対的な「先生」であることを痛感しました。自分のこと以上に、生徒の責任を持たなければなならいというプレッシャーが押し寄せます。自分の発言、行動の一つ一つが生徒の未来を左右するかもしれないということに身震いしました。
結果として、授業の出来はまずまず…といったところでした。先生方にアドバイスをもらいに行ったとき、二つのお話がとても印象的でした。
まず一つは、ベテランの先生でも授業を怖いと思うこと。
ごく当たり前のことなんですが、先生も人間なんだな…と思いました。私達よりも何十年も生きて先生をしているのに、それでも怖いと思うのだと。「逆に怖くなくなったらダメかなと思う」と話していました。
もう一つは、生徒の反応についてのコメントでした。
「凄く生徒達頑張ってくれてたね」と言われました。自分もひどく緊張していましたが、生徒達が緊張しているのも授業をしていてわかりました。
「それはきっとあなたと生徒が築いた信頼関係からくるものですよ、良かったですね」そう言われて、初めて私は生徒を見ているようで見れていなかったことに気付きました。真面目だから聞いてくれてるだけ、他の先生も見てるから聞いてくれてるだけかもしれません。それでも確かに私のつたない授業をみんな一生懸命に聞いてくれていました。自分のことに精一杯で、そんな簡単な事にも気づけていませんでした。生徒達の性質は見ていても、生徒達に寄り添うようなことはできていなかったと、反省しました。
しかしそれでも、私が私なりにやったことが生徒に響いて返ってきたことが凄い嬉しいと思いました。
「おはよう、今日は朝早いんだね。」
「係じゃないのに黒板消し手伝ってるの?優しいじゃん、ありがとう。」
「満点おめでとう!毎朝プリント頑張ってたもんね。」
「今日の宿題ノート詰まってて素晴らしい!先生可愛いスタンプ押しといたから見てな!」
「その考え方良いね、発表してほしいわ。」
最初は生徒との交流だと思って声をかけていたのですが、こんなに大きな意味を持つとは思いもよりませんでした。あまり先生らしいことは言えないけれど、自分が思ったことを素直に、今の自分だから伝えられることを伝えていきたいと考えていました。
まさに教育は鏡でした。先生が誠実に対応すれば生徒も同じように、いやそれ以上に返してくれる。
授業とは、先生と生徒のコミュニケーションと信頼関係で成り立つものなのですね。
先生とはとても尊い仕事だと思いました。私は正直、子供を子供扱いできないから苦手だったのですが、授業を経て生徒達を愛おしいと思えました。先生は単なる指導者だけの役割ではなく、生徒と共に歩む仕事なのですね。
先生方は毎日授業以外にも多くの業務に追われ忙しそうにしていますが、それでも疲れを表に出さず生徒達一人一人と向き合っている姿勢を見て、尊敬の念を覚えます。
最初はなんとなく先生の資格がほしかったからで飛び込んだ先でしたが、私が思っていた以上に、教育の世界は奥深く面白いものでした。これからの将来、機会があれば積極的に教育に携わっていきたいと思いました。まずは就職なんですけれども。ただの社会勉強のつもりが、ここまで大きな収穫になるとは思いませんでした。先生になる過程は決して楽ではありませんが、このブログを読んでいる人達にも機会があればとってみてほしいです。わかりやすく、見える景色が変わります。
書きだしたらきりがないもので、まだ話したいなと思う話題もありますがひとまずここを区切りとさせていただきます。