ロジック

 

前までは至極まともな生活習慣をおくれていたというのに、最近はまた夜更かしばかり。

寝ようとすれば、頭が冴えてきて起きたくなってしまう。

何とかして戻さなければ。

 

今日は、優秀な成績を持つ友人の話をしましょう。

 

この話の前提として、私は自分の成績はごく普通であると思っています。

ひどい点数をとったこともあるし、100点をとったこともあります。両方したことがあるから成績が良い人達の気持ちもわかるし、良くない成績の人の気持ちもわかると思って、限りなくフラットな気持ちを心掛けて書きます。

 

私は芸術大学に通っています。試験は実技のみで、そこまで熱心に五教科の勉強をせず合格しました。しかし学校に入りたいサークルが無かったので、インカレサークルを探して彷徨っていました。学校の人達は合うのか、凄く居心地の良い場所でした。

 

そこで見つけたサークルに入ったものの、そこにいたのは少なくとも私より勉強して大学に入った人達ばかりでした。優秀な成績を持つ友人とは、彼らのことです。当然当たり前のことなのですが、彼らが当然としているものを理解できない自分がいることに驚きました。経験や環境の差は大学でも感じましたが、努力や能力の差を痛感しました。しかしそれ以上に壁を感じるものがありました。感覚が絶対的に合わないと思いました。

なんとか合わせようと思って取り繕っていた時もありましたが、精神と身体が持たずすぐ諦めました。

まるで水と油みたい。

 

合わないだけで、嫌いだとは思いませんでした。できることなら彼らを理解し、共感し、私も参加したいと思っていました。

何が違うのかわかれば、今後上手くやっていくコツがつかめるかもしれない。

そう思って、帰りの車で母と話をしていました。父はとても優秀で、彼らと似ている部分がありましたから。

 

・自分を貫くことに意義を感じるか、周りに溶け込むことに意義を感じるか

・何でもない問題と正解のわからない答え、決まった問題に決まった答え。

・じっくりと問題と向き合うか、多く答えて点数を稼ぐか。

・個性を重視するか、能力の高さを重視するか。

 

あまり詳しくは覚えていないけど、以上のような違いが話に上がりました。

 

サークルの仕事でデザインを任され、担当の人とイメージのすり合わせをした時の話です。

「雨がテーマらしいけど、何か印象的なものとかある?

 今決まってる設定も踏まえつつ、重要なものはコレ!みたいな。モノでも言葉でもいいし。」

「あ、何人か下書きみたいなの考えて持ってきました。(渡される)」

「えー傘かな」

「神様」

「神主様が降る紙のついた棒とか」

他にも参加者は多かったが、同じような回答でした。

設定はちょっと昔の日本の田舎に神様が君臨するというものです。確かに雨がテーマだが、傘は雨と言えばという流れから出てきたものであり、設定を踏んだものではない解答です。

皆さんでしたら何が思いつくでしょうか?今ある情報でも想像はできるかと思います。

 

私だったら「恵」「水たまり」「雲の上」「神社」「村」「紫陽花」「かたつむり」「傘帽子」とかでしょうか。一言に雨と言っても、しとしと降るのか、ザァザァ降るのかでも全然違いますよね。

学校の授業で何かを作ろうということにでもなれば、アイデアや発想が広がりすぎて逆にまとまらないことが多いです。

もっと色んな答えが出るかと思ったのに、私の聞き方が悪かったなぁ…と反省しながら思いました。

芸術の学問と、他の学問の違いはここにあるのではないかと。

 

芸術はテストに出ないような問題を自分で考えて自分で答えを出します。

そしてそれに採点はありません。

五教科の学校の勉強というのは、誰かが作った明確に答えのある問題を解き、いかに早く正確に多く解くかが重要です。

 

戦っているフィールドが違うのです。生きている世界が違うと言っても過言ではないと思いました。

ルールの違う世界だから価値観も違って当たり前、物事を考える時のロジックも違うのでしょう。

それはそれは、水と油のように感じるのも当然ですね。

 

他に対となるエピソードとして、学校の人達とご飯に行ったりおつかいに行ったりすると私は割り勘の計算係になることが多いです。殆どの人が計算を苦手としています。

しかしサークルでは、今までのそれぞれのお金の貸し借りも考慮した上で暗算で計算できる人達ばかりです。

 

このことからどちらが良いのでも悪いのでもなく、ただ逆の存在なのではないかと考えました。

 

芸術はどこまでも自分と向き合うことになるのが辛いですが、成績の良い人達はひたすら他人と比べられるという辛さがあるでしょう。

 

きっとこの境遇に身を置かなければ、ただ「そういう人だから」と割り切ってしまったでしょう。

分類をすることはなんだか偉そうで良いことかはわかりませんが、分析する上では非常に便利です。

 

そういう意味で、やはり自分とは違うタイプの人と関係を持つのは学びが多く良い事だと思いました。大学に行くだけで様々な環境の人は集まりますが、学校ごとの雰囲気はそれ以上に違うと思い知らされますね。世界って広いなぁ~。