こんばんは、今回は数か月前に視聴し終わったアニメ「シュガシュガルーン」の感想を書いていきます。数か月前に見たものなので、厳密な表記としては誤っている部分があるかもしれません、すみません。是非このブログを見た後にアニメを見てご自身の情報を正していただけたらと思います。おすすめ作品なので。
魔界に住む女の子二人が挑むのは、クイーン候補試験。内容は、人間界に行って生活し、より多くのハートを取得するというものでした。ハートは思いが形になった宝石のようなもので、人間にはいくつも生産できるのですが、なんと魔界の人達には一人一つしかなく命のようなものです。人間界で魅力的な魔女になるためにはどうすればいいのか、試行錯誤しながらも成長していくストーリーです。
最近幼少期に見てたアニメを見返すことにハマっておりまして、CCさくら、デジモン初代、おジャ魔女まで見て次に見たのがこの作品でした。
児童書とか絵本も好きでたまに読むのですが、子供が見てもわかる内容で感動する作品を作るって凄いことだと思うのです。多少ターゲットはあれど、大人も子供も感動するものはきっとそこまで違わないのでしょうか。伝える過程によって差が出るのではないかと考えた私は、子供が見てもわかる作品ほどシンプルなんじゃないかなーと思って見返すことにしたんです。あと単純に、昔見た作品って好きだったことは覚えているのに内容全然覚えてないのがもったいないなと思ったのもあります。
さて今回のシュガシュガルーンですが、クラスメイトが大好きでアニメも良いけど是非原作も！とおすすめされたのがきっかけです。原作の絵は線が細くとても繊細なタッチで、西洋の絵本のようだなと私は感じました。少女漫画ですが、その中でも一味違うテイストの絵柄だと思います。
シュガシュガルーンはとても絶妙なバランスで成り立っている作品で、よく作りこまれた世界観だなと思います。魔界の人達はコウモリやカエル、ガイコツなどが好きなんです。魔法関係のリアリティさは残しつつもハロウィンのようにポップで可愛らしくまとめられているところに感動しました。色彩もピンクやオレンジ、パープルなど彩度が高めの色を置きながらも差し色に黑を入れて引き締めつつ、重たすぎず目もチカチカしない非常に見やすい画面になっています。OPやEDもその独特な世界観を守りながらも、主人公の二人のそれぞれの魅力を引き出した女の子らしい映像です。スルメです。
-----ここからは微ネタバレ注意ですｰｰｰｰｰ
強く印象に残ったのは、人間界と魔界の違いでした。
主人公の二人はショコラとバニラという名前なのですが、ショコラは魔界でモテモテなのに対しバニラは人間界でモテモテでした。勿論好みはあれど、魔界では気の強い元気な女の子が人気で、人間界では優しく大人しい女の子が人気なのです。もじもじしてばかりのバニラは魔界でよく虐められr、「ぶっとばす！」と声を荒げるショコラは人間界で喧嘩になったり引かれていました。
極端に違う二人ですが、それでも仲良く時には喧嘩しながら良き親友良きライバルとして切磋琢磨していきます。
基本的にはショコラの視点で話が進むので、魔界の価値観から見た人間界の価値観が語られるのが新鮮でした。「なんで好きな人に好きって言わないの？」「人間の思いの強さは、魔法よりも凄い」等。魔界の価値観は非常にシンプルでわかりやすく筋も通っているので、改めて気づかされることも多かったです。
また、中間試験でいつもとは違う内容の試験を行います。ここではクイーンとして必要な素質を中心的に見られるのですが、「同性からハートを集める」「ハート工場で妖精と働く」が行われます。
同性から尊敬される・愛されるというのは、普段異性にアピールしてハートを獲得している二人からすれば簡単なことではありません。試験は序盤だったのもありそこまでギスギスしたものではありませんでしたが、後半に行けば行くほど男性にモテていると女性には嫌われるという状況に遭遇します。ハート工場では、自分がリーダーとなって人を動かす立場になった時にどうすればいいのかというのを問われていました。クイーン試験、よく考えられていて良い問題ですね。
ショコラは失敗や挫折の描写が多いですが、その分を巻き返すだけの誠実さや素直さを持ち合わせています。見ていると、初心に帰ろうと思いますね。その性格で彼女はこれからいろんなことに巻き込まれるのですが、それを解決するための鍵は彼女がいつも持っています。
自分の在り方について、他者からの視点も交えた上で丁寧に書かれている素晴らしい作品だと思いました。前向きな感情も、後ろ向きな感情も存在しています。学園モノの中でもこれほど人間関係に対する描写が多いものは珍しいように感じました。あぁ、描いたらまた見たくなってきてしまいました。他にもまだみたいアニメはたくさんあるというのに。少女漫画というジャンルではありますが、男の子も女の子もあまり着飾らないキャラクターなので、恋愛要素があっても重たく感じませんでした。万に通じるお話しだと思います、男性も良ければ是非見てほしいです。