アニメ鑑賞記録、「暗殺教室」

 

中学か高校の時に原作を友達から借りて読破していたものの、アニメはまだ未視聴でしたのでこれを機に見てみました!端的に感想を言うと、やはり最高の作品で家で見ながら涙していました。タイトルの印象が強烈だと思うので見る人を選ぶとは思いますが、それ故に個性的で面白い作品です。

2期ありますがOPEDの変わりを考えると4シーズンぐらいあるので長めですが、中だるみすることなく見ることができます。

 

超名門中学に通う主人公達は、落ちこぼれクラス。エンドのE組と呼ばれ差別を受け隔離校舎で学ぶ彼らに突然、超生物の暗殺の依頼が舞い込んでくる。ターゲットは触手を持ち、黄色のタコのような怪物。そして何故か先生として担任も受け持つらしい。クラス全員が殺せない先生、通称「殺せんせー」と共に学ぶ暗殺教室の日々を綴った物語です。

 

 

OPはいつも登場する声優さんの一部が抜擢されてて歌っていて、まさにストーリーに合わせてキャラ達らしい歌と映像を見ることができるのが良いなと思います。キャラソンが出ても買うのは結構コアな人だと思いますし、思い切ってOPにキャラが歌ってる曲が使用されるというのは多くの人に聞いてもらえますし、CDの購買意欲も高まるのではないでしょうか。ポケモンでもそうですが、若年層に向けたアニメでは特に効果覿面のように思います。きっと身近に感じるのでしょう。

あと、OPやEDもストーリーの進行によってちょっと演出が変わるところも見どころですね。エンドカードやアイキャッチも工夫が出てきて面白いです。それから、BGMがとても聞いてて心地よく、わくわくさせる曲なのでサントラも欲しくなってしまいますね。

 

実はこの作品、主要キャラというものはあれど「Eクラス全員」が主人公です。アニメだとカットされている話もありましたが、原作ではほとんど全員にスポットがあたったストーリーが一つはあります。作画もとても安定しており、長い話をこんなにも丁寧にまとめてくれていることに原作からのファンである私はとても感動しました。それぞれ一人の個性を全部広いあげていて、この子はこんな文字を描くだろうとか、座る時はこんな姿勢で、出欠の時はこんな返事をするだろう…一人ひとり誰として同じ人はいないその制作側のこだわりと愛情がたくさん詰まった作品です。キャラクターへの掘り下げとバランスが本当に素晴らしいです。Eクラスは箱推しですが好みで言うと私はカラスマ先生が大好きです、無口な堅物男に弱いんです…!!!カラスマ先生が活躍するシーンは思わず黄色い声をあげながら視聴していました…

 

さてこの作品の一番面白いところは、あくまで「殺すこと」がテーマであることだと思います。

生徒達の成長の感動では、ただの学園モノと変わりません。今では気軽に言葉にされるような「殺すぞ」という単語について、今一度考えさせるきっかけになる作品だったのではないでしょうか。それも前向きに。

これは私の母のあくまで憶測なのですが、「最近は殺す系の話が多いね」と言います。私がそういう作品を見ているからそう思うだけかもしれませんが、SFや時代背景的に「殺すことが自然」な作品はおそらく含まれておらず、「現代設定で殺すことが不自然」という状況の話をしているのかなと思いました。私以外の家族はあまり殺されるものを見ませんので、私が見てるからそう思うだけかもしれません。

 

ただ、そういう作品をいくつか見てきた私の意見ですが「殺す」ということは視聴者に対してエンターテイメントという意味以外にもあるのではないかと思いました。もちろんそういう描写を好んで見ている方もいるとは思いますが、私は別に人が死ぬものを特別見たいという訳でなく、結果的に人が死んだり殺されたりするんです。となると、私にとって人が死ぬとか殺されるかとかは関係ない、つまり一つの事実による描写を見たいのかもしれないと思いました。それは、「人は殺せば死ぬ」という事実です。

 

こういう「殺す」系のものは、命を軽率に扱っているんじゃないか?と思われるのでしょう。でもいくつか作品を見てきた私としては、命を軽率に扱う描写は人に強い不快感を与える。大衆に支持される作品は、命を軽率に扱うような愉快犯だったり狂信者のようなキャラクターこそ一人ぐらいはいれど、命を大切にしようというキャラクターも存在しています。この暗殺教室は、それを何よりも前向きに、そしてわかりやすく伝えている作品なのではないでしょうか。

 

この物語は暗殺を推奨しています。ただ、人殺しはあまり推奨されていません。一時の感情に流されて人を殺すことは良くない、つまり、自分の明確な意思と戦略を持って殺すことを良しとしています。しかし、人を殺すということはとても悲しいことだと、それもとても丁寧に描写されているのです。自分が持っている力は、人を殺すことにも、人を生かすことにも使えるのだということを教えられます。

 

とても斬新な切り口で、ちょっと厨二っぽい設定もありながらも大真面目に描かれている。アニメ化したことにより、多くの人にこの作品が見られていることでしょう。たくさんの感動と学びをくれる作品なので、アニメも原作も両方見ることをお勧めします。あ、でもどちらかを先に見るならアニメから見たほうが声優さんのギャップに苦しまないと思います。

 

そういえば、この作品はアニメ化した時に声のギャップがあまりなかったんですよね。他の原作ファンの方々はあったのでしょうか。漫画や小説からのアニメ化ってどうしても声のギャップに耐え切れなくて見れない作品も多いのです。

あと、大真面目ではありますがとても中学生らしく面白可笑しく描かれていて、気軽に見ることができると思います。

 

皆さんも素敵なアニメライフをお過ごしください。