アニメ鑑賞記録、「ようこそ実力至上主義の教室へ」

 

ようこそ実力主義の教室へ、略して「よう実」ですが実は二回見ています。放送当時、ニコニコでコメント付きで見ていましたが、アニメ鑑賞記録を始める前から書きたい作品だったので最近見返しました。

 

全寮制の国立高校で全ての生徒が監視、個人の成績や素行による評価がクラスのポイントに加算されそのポイントはお金として使用できます。学校内にはポイントで買えないものはなく、ポイントによってはクラス昇格も可能だとか…。そんな学校を舞台に、気だるげで一見普通なDクラスの男子生徒が主人公となりクラスメイトと共にAクラス昇格を目指すというストーリーです。

 

こういうクラス対抗で戦う学園ものとか頭脳戦とか結構好きなんです!「ダンガンロンパ」「バカとテストと召喚獣」「暗殺教室」等など…私は元々ゲーム好き故に誰かの駆け引きを見るのが楽しいと感じます。学園モノとなると登場人物は大体みんな若くて可愛く、時々挟まれる日常シーンでギャップも演出されます。こう考えると頭脳系学園モノは私の大好物ですね。

 

頭脳戦アニメでも特にこの作品は面白いと思いますし、何よりおすすめしたいポイントが多いです。

 

主人公があまり主人公らしくないというか、すごく気だるげなんです。原作を読んでみると普通のラノベの男の子だなって思うんですが、アニメ版は主人公としての主張が弱く、まるで第三者視点で見ているかのようです。その為、主人公と視聴者の心理的な摩擦が少なく、頭脳戦アニメの中でも比較的楽に見ることができるのではないでしょうか。まだ一期しかないのでクラス全員の名前も見た目もわかりませんが、少なくとも今出ているキャラクターの性格はいい具合に掘り下げられていて、尚且つバランスも良く考えられています。

 

作画も安定しながら、独特な色感を活かしこのアニメの絵柄を独立させています。近年のアニメ作画によくある光の表現やグラデーションを取り入れながらも、目の描き方や補色的な色選び、全体的に彩度が高くも破綻せず画面自体のクオリティも高いです。

キャラ数が多いですがわかりやすいキャラデザな上、声もあまり被らず混乱せずに見ることができるでしょう。それに声優さんの演技も素晴らしく、魅力的且つ迫るものがありました。

後、音による演出が個人的に好きです。特に緊迫した雰囲気の時に流れるピアノのBGM、イントロは高い音ながらも静かに、どんどん音の種類も増えてクレッシェンドし、頂点に達した直後G.Pみたいにバッて音が消える。よくある演出ではありますが、BGMが良い故に高揚感が強いです。

 

 

 

------ここから先ネタバレ注意------

 

 

 

先ほどキャラクターの掘り下げが良い具合だ、と言いましたが、キャラクターごとに大体3つの要素を出しているんですよね。

方針、背景、性格。方針や背景があまりわからないキャラに関しては性格の長所と短所の両方が描かれていて、とても人間らしいと感じました。キャラクターが多くても、おそらく3つぐらいならストーリーに差し支えがないレベルで広げることができるのでしょう。そしてこの3つが欠けているキャラクターに関しては何か含みがあるように感じます。書きながら気が付いたボーダーラインですが、なるほど、興味深いですね。

ちなみにこの話の一番面白いところが、主人公の考えていることがわからないことです。大体事件の後に種明かしはしてくれるのですが、先ほど挙げた3つの要素がどれも明確化には表現されていません。意味深なシーンはありますが、あくまで伏線描写という感じです。

 

そういえば、謎が多い主人公というのは珍しいかもしれません。大体こういうポジションは最初は敵で後から仲間になるサブキャラクターが多い様に思います。主人公キャラをあまり好きにならずにサブキャラクターを好きになる私です、今回は主人公の綾小路君を激推ししてます。女の子はまだ定まってないけど、今のところなら櫛田ちゃんか一ノ瀬かな…。「表裏がある」「可愛い」「みんなと仲良くしたい」というキャラクターにすごく親近感が沸きます。櫛田ちゃんに関しては「堀北が嫌い」と断言した上でも、クラスのみんなと平等であり続けるという己の信念にはまっすぐで崩すことはありません。ある意味女の子らしいキャラクターだなと思います、そして声優さんの裏表の演技が別人過ぎて驚きました。自分の感情以上に通したい信念がありぶれないという点では、櫛田ちゃんも綾小路君も同じなのではないでしょうか。信念がありつつも人間らしくちょっと感情でふらつくところがある堀北ちゃんはそこがギャップなんだろうな…と思います。みんなと仲良くという点では平田君も同じですが、どこか頼りなさやビジョンの不明瞭を感じ、すぐ崩れてしまいそうな不安を感じます。

闇落ちしかける一瞬ドキドキしたので、綾小路君のサポートで正気に戻ってしまったのがちょっと残念だと思ってしまう私は本当に性格が悪いですね。

 

クラスとしての戦略、個人としての戦略が同時進行で進んでいく感じが非常に面白いです。特に(ほぼ)クラス全員参加する無人島中間試験は作戦にクラスの個性が色濃く出ていて好きでした。ヒリつきも多かったけど、自クラスでヒリついていても他クラスが写ることで一旦ストレスが消化されます。Aクラスの慎重ながらもクラス内派閥を意識した統率、Bクラスの調和を重視しつつも堅実な手、Cクラスの大胆な攻めの姿勢、Dクラスの奇襲のような作戦。

自分だったらどのクラスがいいかなとか考えますが、作戦の面白さで言えばCとDは見ていてとても映えますね。Bが今後どう動くかも非常に気になるところです。原作では続きが出ているようなので

最近珍しく本を買い読んでいるところです。正直今までラノベを読むのは苦手だったのですが、思っていたよりも読みやすく3日程で一冊読むことができました。しかし小説とアニメではキャラクターのギャップがあったので、アニメはアニメとしてやはり二期が欲しいなと思いました。アニメの綾小路君が私のツボなんです。