アニメ鑑賞記録「ゆるキャン△」

 

仲の良い友達にゆるキャン△好きがちらほらいるなぁ…と思って少し気になっていた作品です。

母がネサフしていて、偶然可愛いと思って買ってきたキャンプ用ランプがゆるキャン△グッズでした。アニメグッズ持ってるのにアニメ見てないのはなんだかもやもやするものがあったので、これを機に見てみようと思いました。基本的にゆるふわ日常系のストーリーなので、重要ネタバレのような記述も基本的にないと思われます。

 

軽快で爽やかなOP。キャンプがテーマのアニメで、旅に出たくなるような曲です。ゆるふわ日常系アニメにしては、OPもEDも鉄板のような萌えアニメソングではないことから、普段あまりアニメを見ない人や萌え系が苦手な方にも楽しんでもらいやすいだろうと思いました。

 

舞台は山梨県。主人公の女の子が引っ越してきて、富士山を見たいがためにキャンプ場まで自転車で走るも、着いたら疲れて日が暮れるまで寝てしまい、家に帰れなくなってしまいました。そこに同い年でソロキャンプに来ていた女の子に出会い助けてもらいます。それをきっかけに、主人公はキャンプに興味を持ち、学校にある「野外活動サークル」に入ることになるのでした。

以上が簡単なあらすじですね。

 

基本的にまったりゆったりしていて、キャンプと言えど高校生達のお小遣いやバイト代の範囲でできる楽しみ方が描かれています。例えば校庭で落ち葉を集めて焚火をしたり、それでお湯を沸かして飲み物を入れたり、マシュマロを焼いたり。本格的なアウトドアは結構お金がかかりますし、知識も必要です。どの物事にも言えることではあると思いますが、これからキャンプを始めアウトドアに興味を持ってもらうにはとてもいい導入になる作品だと思いました。

少し話がそれますが、私は最近クトゥルフ神話TRPGにはまっておりまして、そこで狂気山脈の動画を見てアウトドアに興味を持ち始めました。ゆるキャン△を見たことで更に興味が出てきたので、この外出自粛ムードが去ったら是非アウトドア得意な友達と一緒に山にでも行く計画を立てようと思います。

 

キャラクターデザインはどれも可愛らしいく、アウトドアスタイルは必見ですね。また、メインキャラは女の子達ばかりですが、モブ等で男性も出てくるので、女の子だけの世界線という訳ではないようです。アウトドアに関する知識やマナーをナレーションとゆったりしたアニメーションで説明されています。キャラ以外にも、説明するものにも顔文字のような表情が描かれていて、可愛らしい擬音語を話すのでつい笑ってしまいます。

 

また、BGMも少しクラシックを感じさせるところがあり、雄大な自然の景色の演出が素晴らしいです。全体的に話の進行はゆっくりですが、その分空気感や余韻を大切にしようとしていると感じます。なので、キャンプに行く過程のバイクや歩き、車のシーンも非常に多いです。

 

キャラクター同志の人間関係の描写も丁寧で、それぞれの相性、バランス等良く考えられています。みんなが揃って超仲良し!というわけではなく、ちょっと苦手かもと感じているペアもあり、それぞれがそれぞれのやり方で楽しんでいるという距離感で、これから仲良くなっていくんだろうなぁと思わせられます。仲良しや友達、というより信頼というような描き方で私は結構好きです。ちなみに私はなでしことりんちゃんの会話が凄く好きです。仲良しなんですけど勿論信頼もあって、お互いを尊敬していることが伝わってきて、それでいて近すぎない独特な距離感だなぁと思います。

 

私の中でゆるキャン△はゆるふわ日常系アニメというジャンルに入るのですが、このアニメを見ながら「日本では何故ゆるふわ日常系アニメの需要があるのか」という話をしていたのですが、その時の結論から言うと「日本人は農耕民族だからではないか」となりました。

私達は昔から自然のゆったりとした変化を見て生きてきたので、日常の中にある小さな変化を見つけそれに喜びを見出す傾向にあります。いわゆるそれをわびさびと表現されるのでしょうが、それを季節以外にも幅を広げて、可愛らしい女の子達の日常のちょっとした変化の気づきに癒される人が一定数いるのでしょう。

 

私の友達は、ゆるキャン△を「頭空っぽにして見れる作品」と言っていましたが、それもまた一つのアニメの楽しみ方だと思います。例えるなら焚火とか星とか景色とかキャンドルとか、そういうものを見ている時のような気持ちで鑑賞できるということなんじゃないかなと思います。気持ちを構えることなく鑑賞できるというのは、鑑賞者にとってストレスも少なく、この作品が愛されている理由の一つでもあると思いました。